タイトル100期に挑む羽生九段 藤井二冠の将棋を「参考にしている」
将棋の羽生善治九段(49)が19日、東京・将棋会館で指された第33期竜王戦挑戦者決定戦三番勝負第3局で、丸山忠久九段(50)に99手で勝利。対戦成績を2勝1敗とし、豊島将之竜王(30)への挑戦権を獲得した。
羽生九段はこれまで、歴代最多のタイトル通算99期を獲得しており、10月9、10日から始まる七番勝負に勝利すれば、前人未踏のタイトル通算100期獲得という偉業を達成する。
羽生九段は1986年1月にデビュー戦を迎え、89年に初挑戦となった第2期竜王戦でタイトルを獲得。以来、2018年までは毎年タイトル戦に登場してきたが、19年は一度も登場できず、タイトル戦出場記録が30年で途切れていた。
自身が無冠となった間に、藤井聡太二冠(18)ら若手が一気に台頭。現在、タイトルホルダーは渡辺明三冠(36)が最年長で、30代から10代までの若手が全冠を占めている。
前代未聞の勢いで突き進む藤井二冠からの“刺激”を問われると、「刺激というか、二冠ですから、すでに大きな実績を残されている」と敬意を口に。さらに「日々の対局とか棋譜を見て、そこで参考にしたり、勉強したりしているところです」と、30歳以上も下の棋士の将棋を“教材”として取り入れていることも明かした。
今回挑戦する豊島竜王は、その藤井二冠を通算で5勝0敗と圧倒している。18年7月には、同じく100期をかけた第89期棋聖戦で敗れ、初タイトルを献上しているだけに、「非常に最新の形にも精通していますし、攻めても受けても非常にミスがないというか、力強さを見ているだけでも感じています。七番勝負の舞台で顔を合わせられることは楽しみに思っています」と思いを語った。