菅首相&男性ばかりの党幹部…かたや30代首相&女性閣僚ズラリのフィンランド この違いは?
日本とフィンランドの政治風景をそれぞれ象徴する比較写真がツイッター上で話題になっている。1枚は菅義偉自民党総裁(首相)を中心に、男性ばかりの党幹部が並ぶ写真。もう1枚は、フィンランドの30代女性首相と女性閣僚がそろって写ったものだ。「この違い、何だ」。2枚を並べ、女性の政治参画の遅れを嘆くツイートが国内で広がる。
日本側の写真では、自民党新執行部として菅氏が党4役と横並びになってこぶしを合わせる。5人の平均年齢は71歳を超え、女性は一人もいない。フィンランドの写真と全く異なる絵面で「日本は何周遅れなの?」といった声が寄せられる。
平均年齢60歳、女性閣僚2人(上川陽子法務大臣=67、橋本聖子五輪担当相=55)の菅内閣が誕生した16日、フィンランド大使館(東京)が、新しい顔ぶれに変わった同国の連立5党の党首で、首相や閣僚も兼ねる女性5人の最新写真を公式ツイッターに投稿。こちらにも「いいなぁ」「日本はあと100年かかるかも」とうらやむ書き込みが相次いだ。
フィンランドは昨年、34歳のサンナ・マリン首相が就任。内閣は現在19人中11人が女性で、30代は首相を含め4人。36歳の科学・文化相は8月に1年の育児休業から復帰したばかりだ。
若い人や女性が次々と国のリーダーに就く理由は何か。同国大使館職員で「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」の著者、堀内都喜子さんは「小さい国で人材を無駄にできないという意識が強い。国の将来に若い人、女性の力が欠かせないということを皆が理解する」と話し、教育の機会均等徹底が下支えしているという。
列国議会同盟によると、今年8月時点で、各国議会で女性議員が占める割合は平均25・2%。トップはルワンダの61・3%で、日本は9・9%(衆院)の167位と下位に甘んじている。フィンランドは46・0%で11位となっている。