羽生九段 藤井二冠を初撃破“平成の棋神”が“令和の天才”に貫禄見せた

 感想戦で対局を振り返る藤井聡太二冠(左)と羽生善治九段=東京・将棋会館(代表撮影)
 熟考する羽生九段(代表撮影) 
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 将棋の羽生善治九段(49)が22日、東京・将棋会館で指された第70期王将戦挑戦者決定リーグ開幕戦で、藤井聡太二冠(18)に80手で勝利。幸先良いスタートを飾るとともに、過去0勝3敗(未放映のテレビ対局を除く)だった藤井二冠に公式戦で初めて勝利した。藤井二冠にとっては、今年度内に挑戦の可能性がある唯一のタイトル戦だったが、リーグ戦は手痛い黒星発進となってしまった。リーグ優勝者は渡辺明三冠(名人、棋王、王将)への挑戦権を獲得する。

 勝利を確信した後の数手は、駒をまっすぐに置けないほどに手が震えた。トレードマークの寝ぐせは、今局でも健在。40代最後の対局で、羽生九段が“らしさ”を存分に見せながら強さを発揮した。

 平成の31年間で99ものタイトルを積み重ねた羽生九段も、令和に入って無冠続き。この日は31歳年下のタイトルホルダーに上座を譲った。藤井二冠には、過去の公式戦ではすべて見せ場なく屈していたが、この日はひと味違った。

 後手番で横歩取りに誘導し、序盤から激しい戦いを選択した。互角の展開が続く中、終盤に鋭い踏み込みを連発して優位に立つと、最後は藤井玉の19手詰めを難なく発見し、鮮やかな収束。「ずっとギリギリの勝負だと思って指していた。最後に詰みが見えて、やっと勝ちになったと思った」と振り返った。

 “令和の天才”を初めて破った“平成の棋神”は「今までほとんどチャンスらしいチャンスがなかったので、今回は良かったかな」と、あくまで淡々。27日に50歳の誕生日を迎えるため、40代ラスト対局となったことには、「あまり変わらなかったですけど、一生懸命やろうと思っていました」と、ようやく笑みを浮かべた。

 19日に3番勝負を逆転で制し、第33期竜王戦への挑戦を決めた羽生九段。豊島将之竜王(30)に挑戦する七番勝負は、10月9、10日から始まる。前人未踏のタイトル通算100期をかけた大勝負に向けても、勢いを加速させる勝利となった。

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