例年は“春の風物詩”の宝塚歌劇団の１０６期生３９人の初舞台月組「ＷＥＬＣＯＭＥ　ＴＯ　ＴＡＫＡＲＡＺＵＫＡ－雪と月と花と－／ピガール狂騒曲」がきょう２５日、５カ月遅れで兵庫・宝塚大劇場で開幕する。

　初舞台生のラインダンスは、宝塚音楽学校合格発表と並んで春を告げる行事となっている。１０６期生も３月２日午前に宝塚音楽学校を卒業し、同日午後に歌劇団に入団。４月２４日に開幕だった同公演で、初舞台を踏む予定だった。

　だがコロナ禍で歌劇団のスケジュールは大幅に変更。公演は５カ月遅れでの開幕となった。舞台に登場する劇団員数を減員され、初舞台生と上級生は全日程出演するが、下級生はＡ、Ｂ日程に分けての出演。新型コロナウイルス感染防止対策のため、公演の２週間前に行われる、黒いレオタード姿で稽古場でのお披露目も、今回はなかった。

　初舞台生はお披露目公演後、各組に配属されるため、今回のラインダンスと口上が、最初で最後の同期全員での舞台となる。初舞台生のラインダンスは、通常の公演のものに比べ時間も長く、フォーメーションも複雑で、足上げなどピタリと揃ってキレがあるのが特徴。はつらつとした掛け声も、フレッシュさ満点となっている。

　次公演での退団を発表している月組トップスターの珠城（たまき）りょうも、お稽古場で初披露されたラインダンスを見て「感動して涙が出ました。謎の親心です。気持ちがダイレクトに伝わる。卒業を決めた自分の立場もあり、改めて初心を思い出しました」と感慨深い様子を見せている。

　公演は１１月１日まで。