竹内結子さん【これまでの歩み】朝ドラ「あすか」でブレーク、演技力と華やかさ

 女優の竹内結子(たけうち・ゆうこ)さんが27日、東京都内の自宅において首をつった状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。40歳。埼玉県出身。関係者によると、現場の状況から自殺とみられ、警視庁が詳しい経緯を調べている。第一発見者は、昨年2月に結婚した夫で俳優の中林大樹(35)。遺書は見つかっていないという。

 女優としての歩みを振り返る。

 天真らんまんな女性から、男性を翻弄(ほんろう)する小悪魔、強くクールな女性まで-竹内さんは幅広い演技力と明るく華やかなキャラクターで、見る者を魅了してきた。

 1996年にドラマ「新・木曜の怪談 Cyborg」のヒロインとして女優デビュー。99年、NHKの連続テレビ小説「あすか」のヒロインに選ばれ、奈良と京都を舞台に奮闘する和菓子職人を熱演してブレークした。

 その後はトップ女優への道をまい進。2001年のドラマ「ムコ殿」ではTOKIO・長瀬智也演じるトップスターと内緒で結婚した妻をキュートに演じ、02年のドラマ「ランチの女王」でフジの「月9」枠に初主演。幸福感に満ちた食べっぷりで話題を呼んだ。

 誉田哲也氏の警察小説シリーズを原作とする「ストロベリーナイト」(10年)では初の刑事役に挑戦。ノンキャリアで成り上がりの捜査1課の女性刑事・姫川玲子役で新境地を開き、スペシャルドラマ、連ドラ、映画と続く当たり役となった。

 映画にも数多く出演し、「黄泉がえり」(03年)、「いま、会いにゆきます」(04年)、「春の雪」(05年)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞、「サイドカーに犬」(07年)でキネマ旬報ベスト・テン主演女優賞、日本映画批評家大賞主演女優賞を受賞。演技力を高く評価された。

 三谷幸喜作品との縁も深い。映画「ステキな金縛り」(11年)の快演に続き、完全ワンシーン・ワンカット撮影のドラマ「大空港2013」(13年)に主演。NHK大河ドラマ「真田丸」(16年)では運命に翻弄(ほんろう)される茶々役を気高く演じきった。初舞台も三谷作品の「君となら」(14年)で、三谷氏は「20年後、竹内さんは大竹しのぶになると確信しています」と絶賛していた。

 長くトップ女優として走り続け、芸能史に大きな足跡を残した竹内さん。98年、デイリースポーツのインタビューでは女優として「太く短く燃え尽きたい」と話していたが、女優として円熟期を迎えていただけに、志半ばだったのではないか。失われたものは限りなく大きい。

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