「女性はいくらでもウソ」杉田議員 怒られた 自民・下村政調会長が口頭注意

 自民党の下村博文政調会長(66)は30日、性暴力被害を巡り「女性はいくらでもうそをつけますから」と党会合で発言した杉田水脈衆院議員(53)を党本部に呼び出し、口頭注意した。

 杉田氏は「女性蔑視の意図はない」と釈明したが、下村氏は、国民に対し真意が正確に伝わるように対応すべきと指摘した。党幹部から事実上厳しい叱責を受けた杉田氏は、会談後、ブログで説明する考えを記者団に示したが、報道陣の問いかけには応じなかった。

 発言は25日の党内閣第1部会・第2部会合同会議で出た。杉田氏は26日付のブログで否定したが、複数の出席者は杉田氏によるものと認めている。

 下村氏は記者団に、29日に部会の責任者からも事情を聴いたと説明。その上で、発言の有無に関し「公表する前提ではない」として明らかにしなかった。口頭注意にとどめた理由については「今後の自由闊達(かったつ)な議論を萎縮させかねないため」と述べたが、不快感をのぞかせた。

 杉田氏の発言を巡っては、野党が議員辞職を要求。立憲民主党の安住淳国対委員長(58)は30日、自民党の森山裕国対委員長(75)と国会内で会い「看過できない」と処分を求めた。

 政権内でも、橋本聖子男女共同参画担当相(55)が29日の会見で「努力を踏みにじる発言。非常に残念。党として適切な措置をするべき」と怒りをあらわにした。自民党の石破茂元幹事長(63)はこの日、「党のきちんとした説明も必要だ」と都内で記者団に語った。

 杉田氏は2018年にも、LGBTなど性的少数者のカップルに関し「子どもをつくらない。『生産性』がない」と月刊誌に寄稿。差別的だと批判が集中した。

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