「三波春夫でございます」レツゴー正児さん家族に看取られ天国へ 認知症患い6年前が最後の舞台
漫才トリオ・レツゴー三匹のメンバーとして活躍し、登場時の自己紹介「三波春夫でございます」のギャグで笑わせたタレントのレツゴー正児さん(本名・直井正三)が9月29日午後5時48分、肺炎のため大阪市内の病院で亡くなっていたことが2日、分かった。80歳だった。所属事務所の松竹芸能が同日、発表した。
正児さんは7月、自宅で体調を崩し、病院に救急搬送されそのまま入院。肺炎と診断され、闘病生活を続けていた。29日に容体が急変。妻と3人の子どもたちに看取られ、息を引き取った。告別式は2日、大阪市内の斎場で近親者のみで執り行われた。
2014年6月15日に行われた天満天神繁昌亭昼席に、1人で出演したのが最後の舞台になった。同年には認知症を患っていることを公表。「ツッコミなのにボケてもうた 認知症を宣告されて」という本も出版した。近年は思うようにタレント活動ができていなかった。
香川県琴平町出身の正児さんは、じゅんさん、長作さんと1968年(昭和43)ごろ、レツゴー三匹を結成した。73年に上方漫才大賞を受賞し、79年には上方お笑い大賞金賞を受賞するなど活躍。テレビ朝日系のバラエティー番組「笑アップ歌謡大作戦」のレギュラーも務め、関西を代表するトリオ漫才師となった。
2009年8月30日に大阪松竹座で行われた3代目桂春蝶の襲名披露公演が、レツゴー三匹としての最後のステージに。14年5月にはじゅんさんが、18年2月には長作さんが鬼籍に入った。正児さん1人が残されたが、松竹芸能は「トリオは正式に解散していません」と説明。レツゴー三匹のメンバーのまま、2人が待つ天国へと旅立った。