【山田美保子のミホコは見ていた!】ワザ師・フジ伊藤利尋アナの底力
秋の改編で、特に生ワイドのMCやコメンテーターの入れ替えが目立った一週間。なかでもスタート前からメディアでもっとも話題になっていたのが、3時間に拡大される「バイキング」と、坂上忍の横に立つフジテレビの伊藤利尋アナウンサーについてだった。「坂上の好きにはさせないよう伊藤アナを起用した」などと書く媒体が少なくなかったが、50年の芸歴を誇る坂上の根は親分肌の座長。一緒に仕事をしてみると「チームの和を大切にする気遣いの人」であることがわかる。
果たして「バイキングMORE」とタイトルを変え、坂上と、アナウンサー歴25年の伊藤アナとがどんなコンビになるのかとおおいに期待しながら1週間、見せてもらった。
結果から記すなら、初日から伊藤アナのワザが随所で光っていた。競馬やF1の実況もできれば、生ワイドの中継レポーターや情報キャスターなど幅広く務めてきた伊藤アナ。視聴者の印象に強く残っているのは「めざましテレビ」での“アミーゴ伊藤”だろう。扮装した伊藤アナが中継先で突然、音楽に合わせて踊りだすものだが、そういう突飛なことをやっても決して視聴者から「イタイ」と思われない。毎回彼がやりきったからだろう。
個人的には、2010年~3年間、レギュラーで出演させてもらっていた「知りたがり!」での伊藤アナの見事なMCが忘れられない。硬軟どちらの話題も仕切れるし、「知りたがりすと」なるコメンテーターにどんなジャンルの人が来ても、恐れずに、絶妙な“いじり”や“ツッコミ”をする、ワザ師だった。
聞き心地のいい恵まれた声は「ジャンクSPORTS」や「なりゆき街道旅」「VS嵐」などのナレーターとしてハマっている。フジテレビがラジオとの兼営局だったならば、ラジオ番組のパーソナリティーとしても必ずや人気者になったと思える逸材だ。
実は「バイキング」の初年度、伊藤アナは進行MCを務めていたので週イチで坂上とは共演済み。その安心感からか、この一週間、「うまいな~」と実際に口に出したり、口には出さずとも表情で坂上が伊藤アナを絶賛した瞬間が何度あったことか。スタジオを仕切りながら、「これまでに入ってきたニュース」を完璧に読む姿にも惚れ惚れしてしまった。在京局男子アナのNo.1の実力、伊藤利尋アナ出演の「バイキングMORE」、必見だ。