NHK武田アナ 大ファンの佐野元春と対談「佐野さんの音楽がないと生きられない」

 NHKの武田真一アナウンサーが3日放送のNHK総合「SONGS」で、大ファンというシンガー・ソングライター、佐野元春と対談した。

 武田アナは熊本の中学生時代からの佐野ファンで、大学では佐野に憧れてバンドを結成。アナウンサーになっていなかったら「ロックンローラー」と局の公式サイトで答えているほどで、妻も佐野の大ファンだという。

 番組で武田アナは、かつてエアチェックしていた佐野のラジオ番組「元春レイディオ・ショー」の、宝物というカセットテープを持参。佐野に向かって「熊本の田舎の出身で、佐野さんが描く都会的な風景ですとか、あるいはその10代の若者たちの心の葛藤ですとか、そういったさまざまな風景がとてもこう、まさに佐野さんふうに言えばノックダウンされまして。日本中にそういった10代の子たちがたくさんいたと思うんですよ」と、穏やかな口調ながら熱く語りかけた。

 佐野はそれに対し、「会場には全国どこも10代の少年少女たちが集まったりしてくれて。何か彼らは新しいものを求めているような、そういう雰囲気がありましたね」、「時代が少し変わってきた。その中で若い人たちも自分たちにフィットする音楽や、自分たちにフィットする映像、もしあるんだったらそれを探したい。僕も何か新しいことをやろうとしていましたから」と、1980年代初頭の自身とファンを取り巻く空気を回想した。

 佐野の代表曲「約束の橋」(1989年)のメッセージが2020年の今、とても心に響くという武田アナが、「今までの君は間違いじゃない」という歌詞が「この曲の核だと思う」と問いかけると、佐野は「人が人として成熟していくというそのプロセスはどうあれ、とても美しいものだと僕は思う」と、歌詞のテーマを解説。

 武田アナが「今、社会では、本当は一人一人多様であっていいはずなのに、何か一つの枠にはめられてしまう。そのことに違和感を持つ人がとても多くいる、苦しんでいる人が多くいると思うんですよ。今ですね、このフレーズっていうのは、どういうふうに佐野さんは響いてほしいと思って演奏しているんでしょうか」と聞くと、佐野は「一つだけしてほしいことがあるとしたら、ご自身の曲として聴いていただく。ご自身の実際のバックグラウンドで流れている曲だというふうに思って聴いていただくとうれしいです」と答えていた。

 武田アナは最後も「佐野さんに出会ってもう40年に近くになります、僕らも。これからも佐野さんの音楽がないと生きられないですね。佐野さんはいつまで、僕らのそばにいてくださいますか?」と熱い質問。佐野は「いつまでと約束はできない」としつつ、コロナが晴れた暁には「ぜひコンサート会場に来て皆さんと一緒に良い時間を過ごせたら」と応じていた。

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