ヴァン・ヘイレンさん死す 「ジャンプ」「パナマ」ロック界代表するギターヒーロー

 マイケル・ジャクソンさん(右)の「今夜はビート・イット」を演奏するエディ・ヴァン・ヘイレンさん=1984年7月(AP=共同)
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 「ジャンプ」、「パナマ」などの大ヒット曲で知られる米国出身の世界的ハードロックバンド「ヴァン・ヘイレン」のギタリストで、超絶技法と明るく開放的なキャラクターで人気を博したエドワード(エディ)・ヴァン・ヘイレンさんが6日、咽頭がんのため死去した。65歳。オランダ出身。息子でヴァン・ヘイレンのベーシスト、ウォルフガング(ウルフ)がツイッターで明らかにした。

 ウルフは「この投稿を書いていることが自分で信じられない。父のエドワード・ルドウィック・エディ・ヴァン・ヘイレンが今朝(6日朝)長く、つらいがん闘病の末、亡くなりました」と公表。「最高の父親でした。ステージの上でもステージ裏でも、彼と過ごした全ての時間が贈り物でした」としのび、最後は「この喪失感から立ち直れるとは思えない。愛してるよ、パパ」と悲しみをあらわにした。

 「僕はロックスターなんかじゃない。ロックが好きだから演奏する」-エディさんは1970年代、兄アレックス(ドラムス)と共にヴァン・ヘイレンを結成。78年のデビューアルバム「炎の導火線」が150万枚超のヒットとなり、キンクスのカバー「ユー・リアリー・ガット・ミー」がヒットした。この年、初来日公演を行っている。83年には故マイケル・ジャクソンさんの大ヒット曲「今夜はビート・イット」に客演し、印象的なメロディーを奏でた。

 84年の6thアルバム「1984」は1000万枚を売り上げ、シンセサイザーのイントロが鮮烈なシングル「ジャンプ」は初の全米1位を獲得するなど世界中で大ヒット。同曲は近年もサッポロ「麦とホップ The gold」(2015年)やサントリー「オールフリー」(19年)のCMに使われるなど、ロック・クラシックとなっている。

 エディさんは驚異的な速弾きや、右手の指でギターの弦をたたきつけるようにして音を出すライトハンド奏法などの超絶テクニックと、明るい笑顔でステージを飛び跳ねる開放的なパフォーマンスで後続世代に大きな影響を与えた。

 11年に米ローリング・ストーン誌が選んだ最も偉大なギタリスト100人で8位。バンドは2007年1月にロックの殿堂入りし、ロサンゼルスにあるギター・センターのエントランスに設置されたハリウッド・ロック・ウォークには手形が押されている。

 エディさんの舌がん闘病などで一時、活動を停止していたが、07年に初代ボーカルのデイヴ・リー・ロスが再加入して復活。12年にニューアルバムを発表し、13年に15年ぶりの来日公演を行った。その後はエディさんのアルコール依存症やがん闘病があり、アルバム、来日公演ともこれが最後となった。

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