舘ひろし 永遠の師弟愛「来世でも渡哲也の舎弟でありたい」語った恩師への思い
俳優・舘ひろし(70)が、今年8月10日に死去した渡哲也さん(享年78)の月命日にあたる10日、都内で亡き恩人への思いを語った。これまで故人の遺志によって沈黙を貫いてきたが、四十九日を迎えたことで取材に対応。今月6日には、神田正輝(69)ら石原軍団の面々とともに墓参りに訪れたことも明かし、「来世でも渡哲也の舎弟でありたい」と永遠の絆を誓った。
絶え間ない秋雨が降り注いだこの日、渡さんの2度目の月命日を迎えた。「静かに送ってほしい」という故人の遺志を固く守ってきた舘が、恩師をしのび、胸の内を語った。
「いまだに亡くなったって感じがしないんだよね…。ご遺体を見ていないからかもしれないし、その場にいても見る勇気があったかどうかも分からない」
渡さんに最後に会ったのは昨年3月。今年に入りコロナ禍で直接対面することが困難になったが、電話で欠かさず近況報告をしていた。亡くなる一週間ほど前の電話で、渡さんからかけられた、いつもの切り際の言葉「ひろし、ありがとう」が最後の会話になった。
「西部警察」での共演で渡さんに心酔し、舘が石原プロモーションの門をたたいたのは有名な話。当時を振り返り「俳優になって4、5年、すべてに自信がなくて、でも突っ張ってた俺に『ひろし、お前には華がある』と言ってくださった。その言葉だけを頼りに今までやってきた」。
舘にとっての渡さんは「大きくて繊細で、真面目でちょっと不良っぽくて。父で兄であり人生の師」。そして続けた。「もし来世というものがあれば、再び渡哲也という人の舎弟でありたい」。固く深い絆で結ばれた師弟愛は、永遠だ。
今月6日には、神田や徳重聡(42)ら石原軍団の俳優と渡さんの墓を訪れ、改めて感謝を伝え手を合わせた。来年1月16日で石原軍団は解散となる。今後の身の処し方を「まだ決まっていない」としながらも「いい映画を撮って墓前に報告したい。それが今の僕の夢」。映画制作に情熱を注いだ石原プロの魂を引き継ぐ。それが渡さんへの恩返しとなる。