吉村知事 大阪都構想実現しても「道州制の動きは進まない」

 吉村洋文大阪府知事(45)が21日、大阪府庁で定例会見を行い、大阪都構想の賛否を問う住民投票(11月1日投開票)により都構想が実現した場合、道州制へ向けての議論が加速するかとの見通しについて、消極的な見方を示した。

 道州制とは都道府県を再編して道州を作り、国と地方の役割分担の見直しを行うもの。吉村知事は「都構想が実現しても、道州制への動きがどこまで本格的に進むかは未知数。可決されてもそんな簡単に進まないだろう」との見通しを語った。

 道州制について「知事のイスも県議会議員のイスもなくしてしまい、州を作るというのがあるべき姿」とした上で「都構想を実現しようとする中でさえ、たくさんの強烈な反対がありデマも出回る。統治機構改革は難しいと実感している」と、都構想を進める中での険しい道のりを明かした。

 「都構想はここまで来たので何とかやり遂げたいと思う。その先に道州制はあるかもしれないが、維新が目指すところはそこまでではない。自分の腹を切ってまでできる、幕末の志士みたいな知事は今はいないと思う。僕がやるつもりはない」と話すにとどめた。

 また都構想実現後の大阪への省庁移転については、現段階であまり進んでいないことを指摘しながらも「今の二重行政ではなく、より強い組織ができれば、省庁の受け皿として認められてくると思う」との見通しを示した。

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