【記者の目】嵐“客席のファン”に向けられた5人のプロ魂
今年いっぱいで活動休止する国民的グループ・嵐が、デビュー記念日の3日、新国立競技場でのライブ「アラフェス2020 at 国立競技場」を配信した。5人は2013年9月の「アラフェス」以来、7年ぶりに聖地に降臨。コロナ禍で無観客でのオンラインライブとなったが、ラストライブで最高のパフォーマンスを披露。「また会いましょう!」と再会を誓いステージから去った。
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無観客とはいえ、メンバーたちの目線の動きは客席のひとつひとつに向けられ、ファンの“姿”を見つけていた。温度感の伝わるライブを生んでいるのはひとりひとりの意識の高さであり、まさにプロフェッショナルの一言に尽きる。彼らが国民的スターと呼ばれる理由が再認識できた。
演出は松本を中心に1年以上もかけて練られ、ダイナミックな空間づくりやパフォーマンスは、新国立競技場の船出にふさわしいものであった気がする。有観客開催を断念せざるを得なかったが、配信公演となったことで、これまでライブに足を運んだことのなかった層にも、嵐のエンターテインメントのレベルの高さを知らしめることになったのではないか。
活動休止まで、あと2カ月を切った。昨年1月29日に行われた活動休止発表会見で、リーダーの大野が感極まりながらこんなことを話していた。「最終的に期限が2020年までと決まって、メンバーに『最後まで笑っていよう』と言われたとき、嵐で良かったなと。言葉にならなかったです」。その「最後まで笑っていよう」は、この日、5人によって体現されていた。(デイリースポーツ ジャニーズ担当・福岡香奈)