トランプ氏 怒りの法廷闘争で混迷も 大統領選郵便投票「不正」主張
歴史的大接戦となった米大統領選は5日も開票が続き、最終盤にきて民主党のバイデン前副大統領(77)が加速し、過半数目前に迫った。後がない共和党のトランプ大統領(74)はツイッターに怒りの連投。郵便投票の「不正」を主張し、集計作業の停止や再集計を求めて法廷闘争に打って出るなど、徹底抗戦の構えだ。全米各地で武装抗議や、市民が暴徒化して逮捕者が続出するなど泥沼闘争に突入した。
大方の予想を覆し、トランプ氏が大接戦に持ち込むも、最終盤にバイデン氏が激戦州のミシガンとウィスコンシンを奪取。アリゾナ、ネバダ両州で僅差ながら先行し、両州を取れば過半数に達する。
リーチをかけられ崖っぷちのトランプ氏は、ツイッターに怒りの10連投。ミシガンなどで「大量の投票用紙が捨てられた」と真偽不明の主張。「魔法のようにリードが消えた」「我々はペンシルベニアで大勝していたが、州当局が『何百万も集計する票が残っている』とアナウンスした」と不正を疑う投稿も。
開票が進む郵便投票は民主党支持層の利用が多いとされ、トランプ氏はミシガンなど3州で集計停止を求め法廷闘争に打って出た。
ミシガンやアリゾナの開票所前にはトランプ氏の支持者が押し寄せ「選挙結果を盗むな」と開票所を取り囲んで抗議し、現地報道によると、支持者の一部はライフル銃などで武装していた。
トランプ氏の徹底抗戦によりドロ沼状態の長期化も予想される。異議申し立てによる再集計などで、期限までにどの候補も過半数を獲得できない場合、下院投票で次期大統領を選ぶ1824年以来、200年ぶりの異例展開となる可能性も指摘されている。
一方のバイデン氏はデラウェア州で演説し「勝つのは明白だ」と自信を見せた。バイデン氏の総得票数は4日までに歴代大統領選で初めて7千万票を超え、史上最多となった。