トランプ氏「絶対に諦めない」62億円献金呼び掛け 法廷闘争へ
米大統領選は7日、最終盤の開票作業が続き、民主党のバイデン前副大統領(77)が激戦の東部ペンシルベニア州など2州で共和党のトランプ大統領(74)を逆転してリードを拡大した。バイデン氏は6日演説し「数字を見れば勝利は明白だ」と自信を示した。トランプ氏は声明で「絶対に諦めない」と強調し、さらなる法的措置に意欲を表明。激戦州では再集計が現実味を帯びており、必死の抵抗を続ける構えだ。
当選への手応えは、明確に口にした。バイデン氏は東部デラウェア州で「記録的な数の米国民が変革を選択した」と演説。「新型コロナウイルス、経済、気候変動、人種問題で行動する権限を委ねられた」と強調した。それでも、勝利宣言はしなかった。
一方、トランプ氏は選対を通じた声明で、郵便投票の有効性を念頭に「あらゆる法的観点」から追及すると主張し、裁判で徹底的に争うと表明。ロイター通信によると、選対は裁判費用6千万ドル(約62億円)を集めるため支持者に献金を呼び掛けた。
民主党支持層の多い都市部などで郵便投票の開票が続き、バイデン氏は西部2州でも先行を維持。ただいずれの州もメディアが勝敗を判定できるほど差がつかない大接戦で、暫定票の精査などもあって集計が遅れ、結果判明がずれ込んでいる。
米メディアは投票日から4日を過ぎても当確判定が出ないことに関し、説明する機会を増やしている。当選には全50州と首都ワシントンに割り当てられた選挙人538人の過半数270人の獲得が必要。これまでバイデン氏は253人、トランプ氏は214人を確保した。
ペンシルベニア州は選挙人20人を抱え、ここをバイデン氏が取れば273人となり過半数に達する。ただ同州では候補者の得票率の差が0・5ポイントを下回る場合は再集計しなければならず、これ以上の差で勝つ候補が出たと判断できる時点までメディアは当確判定を待つことになりそうだ。