宝塚歌劇専科・轟悠主演「シラノ」開幕「この作品を、このメンバーで心して」
宝塚歌劇団の“トップ・オブ・トップ”専科のスター轟悠主演の星組公演「シラノ・ド・ベルジュラック」が4日、大阪市の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで初日の幕を開けた。
17世紀の剣豪詩人を主人公にした同作は、何度も舞台や映画化された不朽の名作。剣にも文才にも優れているが、ただ一つ大きな鼻で容姿にコンプレックスを持つシラノが、友人の恋文を代筆するうちに、最後は真実にたどりつく物語。轟は約1年4カ月ぶりとなる主演となった。
「この作品を、このメンバーで心して」と意気込む轟。「薬品が多く、順番を間違えると、肌がただれてしまう」という付け鼻でシラノに挑んだ。宝塚を代表するスターだけに、緩急に長けた硬軟自在の芝居で、グイグイと観客を物語の世界に連れ込んだ。さらに観客に対しても「応援して下さる方にエネルギーを頂いた」と感謝していた。
ロクサアヌ役の小桜ほのかも、そんな轟に必死にくらいついた。真の愛に目覚めるヒロインで、向こう見ずなところもある若い頃はもちろん、15年後の姿もしっとりと演じた。クリスチャン役の瀬央ゆりあは“顔がいいだけ”ではなく、恋と友情の狭間で悩み苦しむ様子をしっかりと見せ、役に厚みを持たせていた。
また美稀千種、天寿光希、朝水りょう、極美慎らが適材適所で場を盛り上げた。