マヂカルラブリーがM-1王者 3年前の“地獄”から史上最少3票大接戦制した

 漫才日本一決定戦「M-1グランプリ 2020」の決勝戦が20日、東京・テレビ朝日で行われ、マヂカルラブリーが優勝。史上最多エントリーとなる5081組の頂点に立ち、賞金1000万円を手にした。ファーストラウンドでは2位につけ、ファイナルラウンドでは審査員7人中3票を獲得して大接戦を制した。ボケの野田クリスタル(34)は、3月に行われたピン芸人No.1決定戦「R-1ぐらんぷり」を制しており、史上初めて同年にM-1とR-1を制する快挙を達成した。

 最後まで自分たちの“型”を貫き通して、マヂカルラブリーが伝説となった。16代目王者に輝いた瞬間、野田は頭を抱え、目に涙を浮かべ、ツッコミの村上(36)と優勝の衝撃を全身で表した。

 2位につけた1stラウンドも合わせ、野田にほとんどセリフがないという独特のスタイルを展開。見取り図、おいでやすこがと対決したファイナルは、審査員7人制では史上最少得票の3票という接戦となったが、生み出した笑いの数が最終的にライバルをわずかに上回った。

 2人にとって、今年は3年越しのリベンジを期した大会。17年の決勝では10組中の最下位に終わり、審査員の上沼恵美子(65)からは「よう決勝残ったな」などと酷評された。終演後の会見で野田は「3年前の最下位は、並の最下位じゃなかった」と述懐。村上も「野田が楽屋に戻った瞬間『もう漫才やれないかもしれない』ってつぶやいた」と“地獄”の瞬間を振り返った。

 それでも漫才師として、心を折ることはなかった。決勝進出という結果を誇りに、野田は自作のゲームを開発してピン芸人としての活動を本格開始。今年の「R-1」を制した。その上で、あくまで「活動の軸は『マヂカルラブリー』にある」と明言。M-1でのリベンジを誓い、見事に有言実行してみせた。

 “因縁”の上沼からは一定の評価を得たものの、最終決戦での票は得られなかった。野田は「心残りではありますね」と苦笑いしつつ、「お笑い王になりたいんで、史上初の3冠を取ります!」と、残るキングオブコントの制覇も宣言。村上は「やるって言うなら付き合いますが」と柔和に笑いつつ、さらなる栄冠への意欲を見せた。

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