たい平 師匠こん平さんの最後の落語見たかった…「笑点」を「見てるよ」

 「24時間テレビ39」でのチャリティーマラソンを完走した林家たい平(右)と握手する林家こん平さん=2016年8月
 林家たい平
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 落語家・林家こん平さんの訃報を受け、ご長寿番組「笑点」の回答者をこん平さんから受け継いだ弟子の落語家・林家たい平(56)が21日、本紙の電話取材に応じた。

 最期に会ったのは9月初旬。コロナ禍でなかなか顔を合わせることができなかったが、自身が16年に「24時間テレビ」のチャリティーランナーを務めた際にプレゼントされたタオルを持参し、自宅療養中だった師匠を訪れた。

 当時、弟子の大舞台に合わせ、タオルに「たい平、頑張れ。俺も負けない」と直筆のメッセージをつづり、スターターを務めてくれた。病床の師匠にタオルを見せ、たい平が「師匠も病気に負けないで、またやりましょう!」と声をかけると、こん平は手を挙げ「うんうん」と応えてくれたという。

 今月17日の仕事を終えた夜、初代三平の妻・海老名香葉子から訃報を伝えられた。「長く闘病していましたが、1日でも長生きしてほしかったです。師匠は絶対に『もう1度、落語をする』と思っていたと思います。それができなかったのが、つらかっただろうな、それを最後に見たかったな、という思いです」。声を震わせ、振り返った。

 師弟関係は30年以上。芸に関して何か言われたことはないという。厳しかったのは、社会人としてのあり方。「『自分の芸風を伸ばしていきなさい』。そう伸び伸びと育てていただきました。落語に関しては自由。だけど、芸人であっても社会人。『何があってもいいようジャケットを着ていなさい』『ウソはつかない』。人と人との付き合いを教えていただきました」。

 「笑点」には闘病する師匠の代役として出演し、約1年半後に正式メンバーとなった。正式メンバーに決まった際、師匠から「見てるよ。よくなったね。安心して見られるようになった」と言葉を贈られたのが「うれしかった」という。

 「師匠の遺志を継いで、師匠のオレンジの着物を着て、師匠の場所で、1人でもたくさんのみなさんを笑顔にしていきたいです。それが“親孝行”になると思います」。天国の師匠に固く誓った。

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