橋下徹氏「コロナ対応しない医療機関多すぎる」 政府の強制力求める
元大阪府知事、大阪市長で弁護士の橋下徹氏が4日、BSフジ「BSフジLIVE プライムニュース」に出演。新型コロナウイルス対策で、感染者数の抑制とともに必要なのが「医療のキャパシティを増やすこと」と指摘した。
昨年大みそかに確認された感染者数が全国で4500人超と過去最多を記録(放送当時)。4日は全国で3200超の感染確認となった。
第3波に対する政府の対応について、見解を求められた橋下氏は「(1日数万人の感染者が出ている)欧米と何でも比べるのがいいとは思いませんが」と断った上で、「なぜ日本は(1日あたりの感染者が)4500、3200っていうところで医療崩壊だ、ってなってしまうのか」と切り出した。
知事時代(08年=~11年)、大阪、そして日本の医療問題に取り組み、世界の医療体制事情を調べたという橋下氏は「日本は一般病床数がものすごく多い。88万とか90万床とか。そのうち、コロナ対応してる病床数が2万7000なんですよ。診療所とか病院の数が先進国でも1番ですよ。医師数、看護師数はものすごい多いわけではないけど」と説明。
「こういう医療資源をうまく使えてんのかな、と。今、一生懸命頑張って下さってる、コロナ対応してくれている病院の方々に本当に頭が下がる思いだし、その現場では人出が足りないのはもちろんそうです」と感謝を示した上で、「コロナ対応していない病院(医療機関)とか医療従事者があまりにも多すぎるんじゃないか、と」と問題提起した。
橋下氏は、コロナ対応した場合の感染リスクや看護師に対する保育園問題などの社会的サポートの必要性にも言及し、医師会、看護協会などからの「大反対」は承知の上で「今の日本の医療体制ではコロナ対応していない医療機関や医療従事者が多すぎる」と発言。「これは医療側の問題ではない。こういう有事の時に、限られた医療資源…医療機関、人員をきちんとマネジメントする司令塔は、どこなんだ、というと、ここは政治の力しかない。もちろん本来なら、医療機関の自発性にお任せする、それが基本ですが、どうしてもダメだ、ってなった時には、政治がそこに入っていく。この問題点をクリアしないとコロナ対応は完結しないと思う」とコロナ対応という有事の際の政府の“強制力”の必要性を訴えた。
政府は昨年12月25日、医療体制がひっ迫している地域でコロナ患者を受け入れている医療機関に対し、重症患者向け病床1床当たり1500万円を補助することなどを発表した。また、大阪市では12月4日から31日までにコロナ患者病床を新たに確保した医療機関に1床あたり1000万円の協力金を補助するなど、さまざまな取り組みをしている。
また、大阪府の吉村洋文知事は12月23日の会見の中で、大阪府には約1万件のクリニックがあり、約500の病院があり、そのうちコロナ対応をしている病院は約80だと説明し、「コロナの最前線で働いている看護師さんのボーナスカットなんてのはあってはならないし、そこは支援すべき」と話していた。