「戦メリ」「愛のコリーダ」初デジタル修復で4月公開
日本映画が世界に誇る巨匠、故大島渚監督の、社会現象となった代表作「戦場のメリークリスマス」(1983年)と「愛のコリーダ」(76年)が初めてデジタル修復され、4月に公開されることが7日、分かった。大島作品が2023年に国立機関に収蔵される予定のため、最後の大規模ロードショーになるという。
故デヴィッド・ボウイさん、坂本龍一(68)、ビートたけし(73)らをメインキャストに据えた異色の戦争映画「戦メリ」(4月16日公開)は、4K修復版となって上映。大島作品では最大のヒット作だ。
太平洋戦争下のジャワを舞台に、収容所長のヨノイ大尉(坂本)と捕虜の英軍少佐セリアズ(ボウイさん)、ハラ軍曹(たけし)と捕虜で日本語が堪能な英軍中佐ローレンス(トム・コンティ)との関係から、東洋と西洋の衝突と相互理解を描いており、坂本の音楽も長く愛されている。
藤竜也と松田英子が主演した「愛のコリーダ」(同30日公開)は、1936年に起きた猟奇事件「阿部定事件」を題材としたハードコア映画。戦争が迫る不穏な時代を背景に、男女の究極の性愛を官能的に描いた。書籍を巡って裁判にもなったことでも知られる。
ジャン=リュック・ゴダール、マーティン・スコセッシ、クリストファー・ノーランといった巨匠たちもリスペクトをささげる、世界の大島による不朽の名作2本が、鮮明な映像でスクリーンに帰ってくる。