ノーベル賞学者 緊急事態宣言に「方針が全然見えていない。非常に残念」

 ノーベル賞を受賞した2人の学者が14日、テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」にリモートで生出演し、1都3県、次いで2府5県に緊急事態宣言を出した政府の施策に苦言を呈した。

 2018年生理学医学賞の本庶佑・京大特別教授は「相変わらず、そこ(飲食業)が大きな感染源であるという認識ですよね。あとは一般的に、国民の自粛と。ですから、基本的に、政府側の積極的な対策というか方針というもの、それが全然見えていないと。これが非常に残念だと思っています」と、対象を飲食業に絞り、あとは国民任せで積極的な方針の見えない政府に苦言を呈した。

 2016年同賞の大隅良典・東工大栄誉教授は「こういう提言(緊急事態宣言)をする時の根拠みたいなものをもう少し示されるっていうことと、この非常事態宣言(緊急事態宣言)をした間に、どこまで目標を設定して今必要なことが、明確に提示されるっていうことがとっても、次のステップを踏む時に大事なんじゃないかなというのが私の意見です」と、緊急事態宣言の根拠や目標が明確さを欠いていると指摘した。

 さらに、本庶氏はこれまでの日本人の態度をたたえた上で「政府側の施策、どうするのか。医療体制の問題、検査の問題、そういうことに対する施策の方向性が非常に曖昧であるというのが私の感じです」と、政府への苦言を重ねた。

 また、大隅氏は政府に対して「ある仮定のもとにある施策を決定したらそれを検証するっていう、研究者が日頃やっているような、そういう科学的なサイクルを回すという作業がすごく大事なんじゃないかと思っています」と、行った政策の科学的な検証を行うよう求めていた。

 本庶氏と大隅氏は、12年に同賞を受賞した山中伸弥・京大教授、15年に同賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授との4人で、政府に5つの提言の実効を求める緊急共同声明を出している。

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