岸本加世子、向田邦子さんとの秘話明かす 「嫌い」と出演を断られたはずが…
女優の岸本加世子(60)が14日放送のテレビ朝日系「徹子の部屋」に出演し、40年前の1981年に飛行機事故のため51歳で急逝した名脚本家・向田邦子さんとの思い出を語った。
岸本は向田さん晩年の代表作であるNHKドラマ「あ・うん」(80、81年)で「向田先生のご自身とされる役」を演じたが、その前にTBSドラマ「源氏物語」(80年)で「たったワンシーン」だが、向田作品に初出演している。
「源氏物語」出演にあたって岸本は、「時間ですよ」や「寺内勘太郎一家」などで知られる名演出家・久世光彦氏に「『岸本加世子って女優はこざかしい芝居するから嫌いなのよ』って断られたぞ、お前」と言われたという。
さらに、久世氏が「色んな女優にあたったけどみんなスケジュールが埋まってて岸本しか空いていないんですよ」と説明すると、向田さんは渋々「しょうがないわね」と認めた、とも聞かされていたという。
このような経緯があったため、向田さんに「嫌われてるんだ」とすり込まれていた岸本だが、ホン読みの際にあいさつしたところ、向田さんは「すくっと立って私をばーって抱きしめて『あららー、よろしくねーっ!』って、ものすごい優しく、大好き!みたいなふうにしてくださった」という。
久世氏の話とは全く違う向田さんの対応に「私もうキツネにつままれたみたいな。アレ?と思って」と面食らった岸本。「今疑ってるのは、久世光彦さんって私の恩師なんですけど、そうやって親心から来るんですけど、役者を追い込む癖があるんですよ。アレは絶対久世さんのウソだったんだなって、今は疑ってるんですけど」と、久世さんの思いを推察していた。