優里“エモ歌”「ドライフラワー」バズった理由は…共通点はSNSからブレーク

 TikTok発アーティスト戦国時代の火ぶたが切られた。現在の音楽チャートは、BTSやLiSAら有名アーティストに混じって知られざる歌手がランクイン。その歌手たちをひもとくと、SNSがブレークのきっかけという共通点が見えてくる。おととしまでは無名も「香水」で紅白出場の切符をつかんだ瑛人もその1人だ。目まぐるしく変わるチャートから注目すべき次世代アーティストに話を聞き、短期連載でバズっている音楽を分析。第1回はシンガー・ソングライター、優里(ゆうり=年齢非公表)を紹介する。

 優里の「ドライフラワー」が各音楽チャートを席巻中だ。Apple MusicやLINE MUSICなどで獲得した1位は合計17個。どこか切なくもどかしい“エモ歌”にとりこになる若者が続出している。

 優里は高校時代にバンドを始め、音楽作りに没頭。19年7月にTikTokで歌唱動画投稿を始め、同12月に配信した持ち歌「かくれんぼ」を投稿したところ、瞬く間に拡散。投稿開始からわずか1年後の昨年8月にメジャーデビューした。

 昨年10月に配信した「ドライフラワー」は「かくれんぼ」のアフターストーリー。ある失恋を「ドライフラワー」は女性目線、「かくれんぼ」が男性目線で描き、一つの物語が形作られた。表情の異なる物語性が共感を呼ぶポイントとなり、ストリーミング総再生回数は9200万回突破(20日時点)。優里は知名度が急上昇した昨年に手応えを見せる。

 「昨年はたくさんの方に自分の曲を聴いていただき、優里という存在を知ってもらえて、自分の中で有意義な1年だったと思います。僕は歌うことが好きで、歌う時にその気持ちを込めて歌っているので、たくさんの方が聞いてくれているのかなと思っています」

 印象に残る歌詞表現が万人にウケる理由の一つ。瑛人の「香水」も「♪ドルチェ&ガッバーナ」と歌詞がインパクト大だが、優里は枯れ果て色あせても残る「ドライフラワー」に失恋を例えた。失恋後も思いが断ち切れない感情の揺らぎを、難解な言葉抜きで歌詞に落とし込んでいる。

 若者の間で「エモい」「切ない」と話題の歌詞は、夜に1人で過ごしている時や散歩中に考案。「楽しい時や悲しい時などいろいろな感情の時に、少しでも寄り添える曲を作りたいと思っています」。5分弱の一曲にリアルな心情を詰め込むため、自らをエモーショナルな環境に持ち込む。

 洋楽好きな母親の影響でハードロックバンドに傾倒していた過去もあり、日本人離れした歌声にも中毒性がある。力強いシャウトと優しいウィスパーボイスを織り交ぜ、切なさを増幅。TikTokには同曲の歌ってみた動画の投稿が相次ぎ、昨年末には若者あふれる渋谷センター街でBGMとして流された。

 きょう23日から新曲「インフィニティ」のデジタルリリースが開始。飛ぶ鳥落とす勢いで急成長する優里は「将来像は明確ではないんですが、楽しく大好きな歌を歌い続けていきたいと思っています」。シンガー・ソングライターとして人々の心を刺さる歌で日本列島を温めていく。

 ◆優里(ゆうり)年齢非公表。千葉市出身。高校時代にギターとしてバンドを始め、先輩のバンドに誘われた際にボーカルに転身。2019年7月からTikTokで歌唱動画投稿を開始し、同年12月に配信した「かくれんぼ」でインディーズデビュー。20年8月配信限定シングル「ピーターパン」でメジャーデビュー。「かくれんぼ」「ドライフラワー」が絶賛バズり中。

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