「くも膜下出血、脳梗塞と聞いたときには、（山口）もえちゃんを未亡人にしてしまうのかもしれないという思いが頭をよぎりました」とは、爆笑問題・田中裕二が所属する「タイタン」の太田光代社長である。２０日夜、事務所から発表された「ご報告」に驚き、光代社長にメールを送ったところ、翌日の午後、電話をくださったのだ。

　仕事先への連絡や今後のことなど、やらなければいけないことを一通り済ませた後だったとはいえ、末席の私にまで連絡をくれるとは、改めてその律義さに感服した。「ちょっとまだテンションが高いまんまで」と、いつもより早口だった光代社長。約２４時間、不眠で対応に追われていたからだろう。

　田中が激しい頭痛を訴え、妻の山口もえが「これから救急車を呼びます」と光代社長に連絡したのは２０日の午前２時頃。その２時間前まで田中と一緒に居たという光代社長は、「予兆がなかったので心から驚いた」とか。だが、驚いている間もなく、光代社長の“出番”がおとずれたそうだ。それは山口が激しく動転していたから。無理もないだろう。昨年８月には夫婦でコロナに感染しているし、完治しているとはいえ田中は大病もしている。良くないことを考えてしまったのだろう。

　その様子は担当医の目にも明らかだったようで「早い段階で、お医者さまが私に電話をくださった」と光代社長。その説明が「手術の必要なし」「１週間の入院」「１カ月の休養」という、一安心できるものだったとはいえ、「私はお酒を、太田（光）はタバコを、田中はお菓子をと、これからは好きなものをガマンする」「これまで（太田夫妻と田中）３人で一緒に行っていた人間ドックの結果をご家族だけでなく私も共有させてもらう」など次々と方針をたてるスピード感にもまた驚いた。

　もともと現場主義で責任感が強く、自身も出役だったためサービス精神にも溢（あふ）れる光代社長のことは多くの業界人が尊敬していたが、今回の丁寧なマスコミ対応や細やかな仕切りには改めて称賛の声が上がっているのだ。

　太田光が光代社長に頭が上がらないことは有名な話だが、これからは田中も…ということなのかもしれない。