GoTo感染拡大に影響か「8割おじさん」西浦博教授らの研究チームが発表

 昨年7月22日に始まった政府の観光支援事業「Go To トラベル」の開始後に、旅行に関連する新型コロナウイルス感染者が最大6~7倍増加したとの分析結果を、西浦博・京都大教授らの研究チームが25日までに国際医学誌に発表した。

 国内では7月から感染が再び拡大、流行の「第2波」になった。西浦教授は「第2波は8月中旬までに減少に転じていたが、初期のGoTo事業が感染拡大に影響を及ぼした可能性がある」と指摘、さらに詳しい分析を続けるとしている。

 チームは5月から8月の間に発症し、感染経路や行動歴など詳細な情報が分かった静岡、岡山、熊本など24県の感染者約4千人を分析。そのうち、817人が県境をまたいだ旅行歴があるか、そうした人との接触歴があった。「Go To トラベル」の開始前の6月22日~7月21日と開始後の感染者数を比較した。

 その結果、1日当たりの感染者数は、開始後に約3倍に増加。週末を含む7月15~19日の直前期間と比べても約1・5倍になっていた。さらに出張ではなく観光目的で感染した人は最大6・8倍、直前期間との比較ではおおむね2~3倍になった。

 西浦教授は「そもそも人の移動が増えれば、接触機会も増えて感染は拡大する」としている。

 西浦教授は新型コロナの感染拡大を抑えるには、人との接触を8割削減するように提唱し「8割おじさん」として知られるようになった。

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