コロナ治療の医師が感染から復帰を公表 「とくダネ!」で「人生1、2位を争う辛さ」
早くからPCR検査の重要性を訴え、新型コロナ患者を受け入れてきた埼玉県のふじみの救急病院・鹿野晃院長(48)が27日、フジテレビ系「とくダネ!」にリモート出演し、新型コロナ感染から25日に復帰したことを報告。不安に襲われることもあったと告白した。
鹿野院長は8日に微熱が出て、9日にPCR検査を受けたが陰性。11日に再び発熱と倦怠感、悪寒などに襲われ、12日に再度PCR検査を受けて陽性判定が出て、自宅療養を開始。25日のPCR検査で陰性が出て職場復帰したばかり。
「初めはいつもの軽い風邪の引き始めぐらいの症状があって、特に検査までは考える状況じゃなかった」というが、陽性と判定され自宅療養を始めた12日から症状が進んだ。アビガン内服を始めたが、高熱が続いていた時は「2、3時間おきに解熱剤を通常の倍ぐらい飲んで、やっと体中にまとわりつくものすごい寒気」がましになったと話し、体重も5キロ減ったという。
医学的な知識があり、酸素飽和度を指先で測る機械と聴診器で自らの現状をチェックしながらの療養だったが、それでも不安は募ったと振り返る。「突然、心筋梗塞や脳梗塞など至る所の血管が詰まってしまって心臓発作、脳卒中を起こしてしまうという怖さは常にありますので、そこは大丈夫かなと不安な思いはありました。いくら医学知識があっても、やっぱりいつどうなるかわからないという不安感は一般の患者さんも医療従事者も同様だと思います」
MCのフリーアナウンサー・小倉智昭に、自身の症状のレベルだったのかと聞かれると「鼻あるいは口から酸素投与する必要がないという点では中等症にも値しない軽症ということになるが、自覚症状としては人生1、2位を争う辛さだった。症状としては軽症というのはどうかと思う」と振り返った。
その上で「私ぐらいの症状で40代であれば何とか自分で食事の手配をできるが、70代、80代の方がこのウイルスにかかって重症化した場合、これは命に関わる。急に命に関わる合併症がいろいろあるので、入院適応がある方は速やかに入院して医師や看護師の監督下に置かないと危ない」と、強く訴えた。
鹿野院長はまた、自身の感染を公表した思いについて「収束に向けて何かしら役に立つ情報発信ができないかということと、まだまだ医療従事者含めて感染した場合、風評被害や差別があるという中で、私が率先して公表することで偏見とか差別というのが広がらないように少しでも力になれたらという思いで公表した」と話した。