森会長なぜ交代論が出ないのか 専門家「果たしている役割が…」「協賛金が倍に…」
スポーツジャーナリスト・二宮清純氏が5日、TBS系「ひるおび!」に出演。女性蔑視発言とも取れる発言をしたことについて4日に謝罪、撤回する会見を行った東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)について言及した。
番組では一連の問題を振り返り、森氏の退任を求める声が渦巻いているにも関わらず、なぜ周囲から「交代論が出ないのか」について触れた。関係者の「今、森氏が辞めれば大会組織委員会はガタガタになる」、「森さんの代わりに会長できる人はいない」などの声とともに、東京五輪・パラ招致のキーマンは森氏だったことなどを解説した。
二宮氏は過去、toto導入の旗振り役として森氏が意見をまとめたことなどを振り返りながら「森さんはリーダーシップを発揮するリーダーではなく、調整型のリーダー」と説明。現在の状況を「調整力があり、長年スポーツ界に貢献してきた森氏に周りが忖度しているのではないか」とした。
これまで森氏は日本体育協会の会長や、日本ラグビー協会の会長などを務めてきた。二宮氏はラグビーW杯の招致活動の先頭に立ってきたことに触れ、「森さんの演説は評価していて、(当時は)楕円形のボールをイギリス協会、スコットランド、アイルランド、ウエールズ、フランス、南半球でまわし合っていた。(森氏は)楕円形のボールがアジアに回ってこないとラグビーはワールドワイドにならないと(訴えた)」とした。その上で、「森さんの失言はアウトでマイナス点は大きいが、過去の全てを否定するのは話が違う」とした。
東京五輪に関わってきたのは政治ジャーナリスト・田崎史郎氏は「調整能力のひとつですが、森さんが関わるようになって協賛金が倍集まるようになったっていうんですね。オリンピックはお金を集めることはできませんから。また、バッハ会長やコーツさんとの関係も非常に強い。気配り目配りの人。あの発言はアウトだが、森さんの果たしている役割はある」と語った。