役所広司 五輪で熱狂できる「世界は素晴らしい」“女性蔑視”森氏辞意と同日の主演映画初日
俳優・役所広司(65)が11日、都内で、主演映画「すばらしき世界」の初日あいさつに、仲野太賀(28)、六角精児(58)、北村有起哉(46)、西川美和監督(46)と登場し、タイムリーなメッセージを発信した。
直木賞作家・佐木隆三氏(83)のノンフィクション小説「身分帳」を原案に、役所演じる元殺人犯の男が刑期を終えて出所した社会で不器用に生きる姿を描く。
あいさつでは、タイトルにちなんで、それぞれが思い描く「すばらしき世界」について語ったが、くしくも現在進行形で世間を騒がせている“問題点”が飛び出した。
役所は「戦争、紛争がなくなって、差別、偏見がなくなって、子供たちが夢を持てる世界が素晴らしい」と主張し、平和と平等の世の中を願った。続けざまに、「オリンピックでスポーツを通して、世界中の人間たちが熱狂してる姿を見ると、世界は素晴らしいと思えます」と補足した。
イベントが行われたのは、女性蔑視発言が問題視されている森喜朗氏(83)の、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長辞任の意向が、速報で伝えられた直後。騒動について直接的に触れることはなかったが、『差別』と『五輪』の2つのキーワードを盛り込み理想の世界を表現した。
同作は昨年1月に撮り終えていたが、コロナ禍で編集作業が遅れて、封切りも当初の予定より後ろ倒しになったという。六角は「コロナ前の世界が、素晴らしい世界だった。今の世界の状況が変わって、素晴らしい世界に戻ってくれたら」と全人類の声を代弁していた。