東日本大震災から10年の地震 飲食店関係者「備え甘くなっていた」

 13日午後11時7分ごろ、宮城県南部、福島県の中通りと浜通りで震度6強の地震があった。負傷者は共同通信の集計で宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川の9県で150人以上となった。

 東日本大震災から間もなく10年。当時の記憶がよみがえった。地震から一夜明け、被災者は自宅や周辺の片付けに追われた。新型コロナウイルス対策で飲食店などに営業時間短縮を独自要請していた福島県では、15日からの通常営業再開を目指していた関係者から悲鳴が。東日本大震災から10年近くが過ぎ「備えが甘くなっていた」との声も聞かれた。

 「再開を待つ常連さんから来店の連絡があったのに」。震度6弱を記録した福島県郡山市の繁華街。居酒屋「大町酒場いっぽ」を営む増子洋介さん(37)は嘆いた。県独自の緊急事態宣言で先月中旬から休業。時短要請が終わる15日に営業再開予定だったが、グラスや酒瓶が割れた。破片を片付けながら「(地震も新型コロナも)誰のせいでもないけれど、まいっちゃったよ」。

 地震発生時に仙台市青葉区のコンビニで働いていた男性従業員は「ゴゴゴという地響きがして、東日本大震災と同じぐらいのものすごい揺れだった。怖かった」と表情をこわばらせた。店内には客が1人。一緒に外に避難してけがはなかったが、陳列棚から落ちた酒瓶が割れた。

 宮城県石巻市の高台には、津波を心配して車で避難する住民が相次いだ。東日本大震災で自宅が全壊した主婦(50)は「夫や娘と家財道具を車に積んで避難した」と不安をあらわにした。男性会社員(50)も高台に避難。「津波の心配はないと言われても信じられない。10年前、苦い目にあったから教訓として逃げた」と話した。

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