東北震度6強から一夜、被災地では余震相次ぐ… 約240人がコロナ対策の避難所へ

 13日午後11時7分ごろ、宮城県南部、福島県の中通りと浜通りで震度6強の地震があった。負傷者は共同通信の集計で宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川の9県で150人以上となった。JR東日本は、東北新幹線の設備が被災したため、全線運転再開まで10日前後かかるとの見通しを明らかにした。住宅被害が相次ぎ、福島、宮城では少なくとも約240人が一時、新型コロナウイルスの感染防止対策が取られた避難所に身を寄せた。

 崩落した土砂が道路を覆い尽くし、巨岩が路上に転がっていた。地震から一夜明け、激しい揺れが残した爪痕が浮き彫りになった。

 震度6強だった福島県相馬市。常磐自動車道では、道路脇の山肌からごっそり崩れ落ちた土砂が反対車線まで流れ込み、車線全てを覆っていた。沿岸部の道路には巨大な岩が転がっていた。車ほどの大きさがある岩が片側の車線を完全にふさぎ、崩落の際に砕けた岩も散乱。散らばった岩に接触して止まったように見える車もあった。

 東北と関東などで最大90万戸を超えた停電は解消したが、福島、宮城で断水が続いた。厚生労働省によると、宮城や福島、茨城、栃木県内で最大約2万5700戸が一時断水した。福島県が災害派遣を要請した自衛隊は、震度6強に見舞われ、ほぼ全域で断水した新地町で給水活動を始めた。

 仙台市にある伊達政宗の霊廟(れいびょう)、瑞鳳殿で石灯籠など約100基が倒れたほか、福島県二本松市のサーキット場「エビスサーキット」でコース脇の崖が崩れてレストランなどの入る建物が大きく損壊した。

 東京電力福島第1原発では、使用済み核燃料プールなどから水の一部があふれた。東電は外部への影響はないとしている。14日も福島県で震度4を観測するなど地震が相次いだ。

 JR東によると、東北新幹線の新白河-古川間で架線を支える電柱が折れたり高架橋が損傷したりした。この区間を含む那須塩原-盛岡間で14日は運転を見合わせ、東京-那須塩原間と盛岡-新函館北斗間で運転本数を減らした。

 福島県によると、県内18市町村に70カ所の避難所が開設され最大203人が身を寄せた。震度6強だった相馬市の避難所では、コロナ対策でテント型の仕切りに世帯ごとに入ってもらった。宮城県では少なくとも約40人が避難した。

 福島県は住宅被害が大きかった福島市や郡山市など17市町に災害救助法を適用した。救助費用などを国と県が負担する。

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