芸能事務所 令和の新戦略は「ビジネスパーソナルシップ」ツインプラネット・矢嶋社長に聞く
コロナ禍もあって芸能界の雇用形態が変化しつつある中、タレント・鈴木奈々(32)、SKE48・須田亜香里(29)らが所属する芸能事務所・ツインプラネットが取り入れている「ビジネスパーソナルシップ」が注目を集めている。芸能人やスポーツ選手、文化人らを対象とした、事務所所属や個人事務所、フリーランスなどの枠にとらわれず、芸能活動する際のさまざまな、必要な部分だけのニーズに応える形態だ。矢嶋健二社長(40)がこのほどデイリースポーツに、“令和の新戦略”とも言うべき新たな考え方を明かした。
いわばマネジメントの“バラ売り”戦略について、矢嶋社長は芸能事務所に求められるニーズの変化を指摘する。「例えば、今までは事務所の機能がないと出演依頼もできなかったけれど、ソーシャルメディアが発達し仕事の依頼も個人に直接来る。だったら逆に、事務所という枠を取り払い、よりパーソナルに落とし込もうと」と経緯を説明した。
具体的には「セルフプロデュースはできるけど、自分で自分の営業ができないから、営業マンだけを契約したい」、「自分で交渉はできるけど、現場マネジャーだけがほしい」といった細かい希望に対応する。
「契約の問題で弁護士を用意したり、税金関係など、各方面のスペシャリストを用意しています」と矢嶋社長。メディア露出を狙う相手にはテレビ局関係者を紹介し、商品開発に興味を持つ相手にメーカーを紹介する…といった、「いわば“マッチング”ですね」と話した。
さらに、今後に向け「『金融チーム』を作る動きをしています」という。「今は、個人の活躍領域の幅が広がり、今後より大きなプロジェクトに取り組んでいくケースも増えると思います。やりたいことを実現するには、資金が大きなハードルとなる。そこに備えて金融チームを作りたいと考えています」と構想を語った。
その効果を「必要なことはこちらで交渉・調整し、自分の強みを最大化できることだけに個のパワーを発揮できる体制作りこそが、これからの個の時代に求められる、マネジメントの枠を超えたチームの形だと思っています」と説明。新時代に向けた、きめ細かい戦略の一端を明かした。