藤間爽子 「紫という色を壊すことなく私の色に」…三代目藤間紫継承式

 日本舞踊家で女優の藤間爽子(26)が28日、東京・日枝神社で紫派藤間流の三代目藤間紫継承式を行った。09年に死去した祖母・藤間紫さんの名跡を継ぎ、紫派藤間流三代目家元を襲名し「祖母が作ってきた紫という色を壊すことなく、私の色を加えていけるように」と力を込めた。

 今後は女優業は“藤間爽子”、日本舞踊は“藤間紫”として活動。3月は早くも“二刀流”が実現。6日には襲名後初の出演舞台「いとしの儚-Dearest Hakana-」(東京・下北沢 ザ・スズナリ)が開幕。28日には石川県立音楽堂で襲名後初の舞踊会を行う。なお、襲名披露公演は来年1月29、30日に東京・国立劇場で予定されている。

 コロナ禍で当初から約1年遅れでの継承式も「自分と向き合う時間ができた」と前向きに捉えた。歌舞伎と日本舞踊で活躍した祖母の後を追う爽子。「日本舞踊ができるから表現できる女優の表現だったり、女優をやっているから日本舞踊で生かせる表現だったりがあるはず。(双方を)生かせるような舞踊家、女優になっていきたい」と目を輝かせた。

 また、この日は爽子の兄・貴彦も出席。貴彦はこの日の継承式で、二代目藤間紫の市川猿翁が命名した初代藤間翔に改名し、兄妹そろっての“晴れの舞台”となった。貴彦は「まだ実感はないが、前進していかなければと思っている。名前に負けない舞踊家になりたい」と意気込みを口にしていた。

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