NTT社長と20万円会食 総務省接待問題で新事実…他通信事業者との接待は他にも

 総務省の谷脇康彦総務審議官らがNTTから高額接待を受けたとされる問題を巡り、谷脇氏は4日の参院予算委員会で、NTT側との3回の会食を認め「国民にさらなる疑念を抱かせることになり、深く反省し、おわび申し上げたい」と陳謝した。深まる総務省幹部の違法接待疑惑は、政権運営に一層の打撃となりそうだ。

 総務省は2月24日、菅義偉首相の長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」からの接待を巡る懲戒処分を発表。その際に「他に倫理法令違反はなかった」としていたが、1週間余りで調査やり直しに追い込まれた。

 NTTの事業計画や取締役選出は総務省の許認可が必要で、総務省幹部は国家公務員倫理規程が定める「利害関係者」に当たり、接待内容によっては法令に抵触する。

 週刊文春の報道によると、谷脇氏は2020年7月までに計3回、NTTの澤田純社長ら幹部と会食、計17万円以上の接待を受けた。谷脇氏は参院予算委で「会食では先方が提示した金額を負担した」と説明。東北新社以外から違法な接待は受けていないとした過去の答弁は虚偽に当たらないとする一方、通信事業関係者との会食は他にもあったとした。

 文春の報道では、巻口英司国際戦略局長や当時総務審議官だった山田真貴子・前内閣広報官も20年6月に澤田氏らと会食。代金約20万円のうち巻口、山田両氏は1万円ずつしか負担しなかった。

 谷脇氏は18年7月に総合通信基盤局長、19年12月に総務審議官に就いており、いずれの時期もNTTを所掌する立場。今夏に事務次官昇格が有力視されていたが、相次ぐ接待問題で窮地に陥った。

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