元ビートルズのメンバーで、ソロとしても後進に多大な影響をおよぼしたジョン・レノンのファーストソロアルバム「ジョンの魂」（１９７０年）が、発売５０周年を記念して、初のマルチフォーマットで４月１６日に発売されることが５日、発表された。

　７０年１２月１１日に発売された「ジョンの魂」（原題ＪＯＨＮ　ＬＥＮＮＯＮ／ＰＬＡＳＴＩＣ　ＯＮＯ　ＢＡＮＤ）はビートルズ解散後、初のソロアルバム。リンゴ・スター（ドラムス）やクラウス・フォアマン（ベース）ら盟友の演奏をバックに、ジョンが思いの丈をさらけ出した内省的な作品で、ロック史上の名盤として知られる。

　１曲目の「マザー」をはじめ「労働階級の英雄」や「ラヴ」などの名曲が並び、特に「ゴッド（神）」での“ビートルズへの決別宣言”はファンに衝撃を与えた。ジョンは本作について「僕の今までやった最高のこと」と述べている。

　妻でアーティストのオノ・ヨーコは、ブックレットの序文で「プラスティック・オノ・バンドのアルバムでは、ジョンと私は、本当に生で、ベーシックで、正直な現実を、世界中に発信しているという事実が気に入っていました。私たちは、当時は社会的に受容されていなかった、人の脆弱性を尊重することで、他のアーティストたちに影響を与え、彼らに勇気をもたらしました。ザ・ビートルズの一人が“聞いてくれ、僕は人間なんだ。僕は現実に存在するんだ”ということは、革命的なことでした。彼がそうするのは、とても勇気がいることでした」と述べている。

　発売５０周年を記念した今回のアルティメイト・コレクションは、新たにリマスター、リミックスされたもの。ステレオ・ミックス、ロウ・スタジオ・レコーディング、アウトテイク、エキストラ、オーディオ・ドキュメンタリーなどがＣＤ６枚、ブルーレイ２枚に収録されたスーパー・デラックス・エディションをはじめ、２ＣＤ、１ＣＤ、２ＬＰ、デジタルの５形態で発売される。