岡本健一 総理に芸術鑑賞のススメ「心が豊かに、救われる気がします」
俳優・岡本健一(51)が9日、都内のホテルで行われた2020年度(第71回)芸術選奨の贈呈式に出席した。
岡本は演劇部門での文部科学大臣賞を受賞。大臣賞受賞者を代表して壇上であいさつに立った岡本は「最初にこの賞を受けられたと聞いた時にまず、(選奨を)何て読むんだろうと」と切り出し「自分をこの世界に導いてくれたジャニーさん、自分の家族、ご先祖、これまでの作品に関わってくれた人たちに、自分の出会った人、出会う人、日本という国に心からお礼を申し上げたいと思います」と感慨をにじませた。
岡本はシェークスピアの舞台「リチャード二世」の演技が評価されての受賞。「選考委員が選んでくださったが、その上の大臣にも、できることならお疲れになっている総理にも機会があれば、2、3時間、芸術に時間に費やすことで、心が豊かになるか、救われる気がします」と鑑賞を推奨。続けて「できれば会場や劇場に来られる時は1人で電車に乗って、公共交通機関を使って、自分でチケットを取って来てくれたら、みんながどれだけの思いで生活しているか、どれだけの思いで感動しているか、我々がどれだけのの思いで生きているのかという姿を一緒に共有できたらと思っています」と熱く呼びかけた。
また、「芸術選奨実施細則」の中に「受賞者は、芸術活動を通じて社会に貢献し、国民の模範となり得る者であることとする」という一文があることに触れた岡本。「国民の模範となり得る者とするは…。正直、ごめんなさい」と苦笑いを浮かべ「作品の中でしか生きていないような気がして、それ以外の部分は模範にはできないです」と話し、会場の笑いを誘っていた。
芸術選奨は芸術分野の優れた業績を文化庁が表彰するもので、岡本のほかにはロック歌手の宮本浩次(54=大衆芸能部門)、映画監督の諏訪敦彦氏(60=映画部門)ら18人が文部科学大臣賞を受賞。新人賞は人気漫画「鬼滅の刃」の作者・吾峠呼世晴さん、シンガー・ソングライターの米津玄師(29)ら10人と1組が選ばれた。