ジャオ監督の中国批判で「ノマドランド」上映中止か
現代のノマド(遊牧民)として季節労働の現場を渡り歩く女性を描き、米ゴールデン・グローブ賞の作品賞、監督賞を獲得した「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督(38)が、過去に中国を批判した発言が問題視された後、中国内の映画サイトで4月の上映予告が削除された。事実上の上映中止とみられる。香港メディアなどが14日までに伝えた。
ジャオ監督は北京生まれで英米に留学。ニューヨークで映画を学び、米国で活動している。今年2月末、同賞のドラマ部門で2冠を獲得。アジア系女性として初の監督賞受賞となった。中国では4月23日からの上映が決まり、上映予告が公開されていた。
報道によると、受賞後、ジャオ監督が2013年の雑誌のインタビューで、自分が反抗的な性格になった理由として「育った頃の中国はウソであふれていた」などと語ったことがインターネット上で取り上げられ、「中国を侮辱した」などと非難が続出した。