「記憶にございません」 ルーツはロッキード事件の小佐野賢治氏
総務省幹部への接待問題で16日の衆議院予算委員会で繰り広げられた、総務省の担当課長による「記憶にございません」の連発劇。ネット上では1976年のロッキード事件を思い起こす書き込みが続出した。
ロッキード事件では、米航空機メーカー、ロッキード社の航空機受注をめぐり、30億円もの工作資金が政財界にばらまかれ、最終的に田中角栄元首相までが逮捕された戦後最大の政界汚職事件といわれている。
この事件において、「昭和の政商」と呼ばれた国際興業創業者の小佐野賢治氏が、裏金のカギを握るとされ、衆議院予算委員会に証人喚問された際、多くの質問に「記憶にございません」を連発。同年の流行語にもなった。その後も「記憶にございません」は、偽証や証言拒否を避けつつ回答に向き合わない戦法として、国会答弁の決まり文句に“成長”した。
昨年は三谷幸喜監督がメガホンを取った映画「記憶にございません!」のタイトルにまでのぼりつめた。もっとも同作では、中井貴一演じる首相が本当に記憶をなくしてしまうストーリーだったが…。