木村花さん死去でテラハ「放送倫理上問題あり」BPOが見解
フジテレビ系リアリティー番組「テラスハウス」に出演し、視聴者からの誹謗中傷を受け、昨年5月に亡くなったプロレスラーの木村花さん(享年22)を巡る問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)は30日、都内で会見を開き、放送倫理上問題ありとの見解を発表した。
決定に至った理由をBPOは「ネットフリックスの配信を契機に花さんに対する誹謗中傷が起こり、自傷行為に至るという深刻な事態を生じたところ、本件放送を行うとする決定過程で、出演者の精神的な健康状態に対する配慮に欠けていた点で放送倫理上問題があった」と判断した。
木村花さんの母で申立人の響子さんは「娘の死は番組の“過剰な演出”がきっかけでSNS上に批判が殺到したため」と人権侵害があったと主張。これについては「ピンマイクをつけて撮影に応じている点を踏まえると、違法なプライバシー侵害であるとは言えない」と判断した。
委員会としては、フジテレビ側に「本決定を真摯に受け止めた上で、再発防止に努めるとともに、本決定の趣旨を放送するよう要望する」とし、報道界全体としては「本件から教訓をくみ取り、木村花氏に起こったような悲劇が二度と起こらないよう、自主的な取り組みを進めるよう期待する」と望んだ。