フジテレビ系リアリティー番組「テラスハウス」に出演し、視聴者からの誹謗中傷を受け、昨年５月に死去したプロレスラーの木村花さん（享年２２）を巡る問題で、放送倫理・番組向上機構（ＢＰＯ）が３０日、放送倫理上問題ありとの見解を発表。これを受け、同日、花さんの母・響子さんが都内で会見した。

　申立人である響子さんは「（１）本件放送自体による視聴者の行為を介した人権侵害（２）自己決定権及び人格権の侵害（３）プライバシーの侵害」の主張したが、ＢＰＯは「出演者の精神的な健康状態に対する配慮に欠けていた点で放送倫理上問題があった」と判断。人権侵害やプライバシー侵害は認められなかった。

　結果通知にじっくり耳を傾けていた響子さんは「３月３０日は花がプロレスデビューをした日。本来でしたらさくさんの人におめでとうと言われる日です。そんな日に残念な結果です。歯がゆく悔しい思いをしています」と静かに言葉を紡いだ。

　花さんの思いを語り出すと、思わず涙。「やっぱり花を助けてあげたかったという思いですし、無気力さを感じています」と鼻をすすりながら「フジテレビに関しては自分たちの番組を見直して、出演者をコマの一つではなく大切にして頂きたい」と訴えた。

　申立人の主張にフジテレビ側は「木村氏を暴力的に描いていない」「人権侵害は認められない」と主張していた。フジテレビ側の対応に響子さんは「申し立てをしてからもフジテレビからの書類が届く度に無責任な言葉が並んでいました。まるで自分たちの番組と花は無関係という主張でしたり、私を攻撃するような言葉も並んでいました」と明かしていた。