警察官五輪宿舎37億円で改修も…一度も使われず 元に戻すため11億円
東京五輪・パラリンピックで警備に当たる警察官が使う東京都内4カ所の臨時宿舎について、新型コロナウイルス軽症者の滞在施設に転用するため約37億円かけ改修したものの、一度も使われなかったことが7日、警察庁への取材で分かった。元に戻すため約11億円かけ再改修する。軽症者の受け入れ判断を担う都が、後に確保できたホテルを優先的に使用したという。
都や警察庁によると、臨時宿舎は全国から派遣される五輪警備担当の警察官用。当時、昨年6月の完成予定で工事が進んでいた。
しかし、感染の急拡大で昨年3月に五輪延期が決定。政府は、当面使用しなくなった宿舎の活用を指示した。警察庁は相部屋を仕切って個室にした他、看護師の常駐スペースを設け、トイレや風呂など水回りも改修、昨年4月に工事を終えたが、都が利用しないとの意向を示し、五輪が近づいたことから元に戻すことが決まった。本年度予算に約11億円を盛り込み、既に工事に着手している。