加藤シゲアキ 吉川英治文学新人賞に「自分を褒めてあげたい」
NEWSの加藤シゲアキ(33)が9日、都内で行われた「令和二年度・三年度 吉川英治賞贈呈式」に出席。長編小説「オルタネート」で吉川英治文学新人賞を獲得した喜びと感謝を壇上で述べた。
3月に開催された同賞選考会後の会見で見せたパーカー&パンツのカジュアルスタイルとは違い、この日はグレーのスーツ姿でキリッと登場。「この度は僕を選んで頂き、ありがとうございます。この場を借りて、作家活動に関わって下さった方にお礼を申し上げます」と感謝を述べた。
受賞作は、高校生限定マッチングアプリ「オルタネート」によって運命が交錯する若者を描いた青春群像劇。和田竜氏の「村上海賊の娘」、辻村深月氏の「ツナグ」など話題作が受賞してきた栄誉ある賞で、アイドルでは初の受賞となった。
初めて筆を執った2011年から丸10年。「これほど優れた作品がある中で作品を作る意味があるのだろうか」と自問自答した過去を明かしつつ、世間から“作家先生”として認められた事実に「受賞が少しだけ慰めてくれた。何とかここまで続けてこられた自分を褒めてあげたい」と自分に拍手を送った。
現在、主演舞台「モダンボーイズ」に出演中で、この日も公演後に新国立劇場から駆けつけた。アイドル、役者、作家と様々な顔を持つ加藤は「物語の力を知っているから人は物語を求める。これからも書き続けていきたい」と“表現者”としての矜持を胸に前進することを誓った。
選考委員の宮部みゆき氏は「群像劇が端正に描かれている。自分の表現を持って書いていくという強い印象があった」と加藤の作品を高く評価。最も将来性ある新人作家に贈呈される賞とあって「これからもガンガン働いて、これからもガシガシ良い作品を書いて欲しいなと思っている」と将来へ期待した。