【山田美保子のミホコは見ていた!】そばに居てほしい男・風間俊介
18日、東京公演の千秋楽を迎える舞台「パークビューライフ」を観てきた。作・岡田恵和氏、演出・田村孝裕氏による四人芝居で、風間俊介、倉科カナ、中川翔子、前田亜季が出演している。
風間と言えば、2クール続いた「監察医 朝顔2」(フジテレビ系)での好演が記憶に新しい。“家族”や“心の復興”を丁寧に描く同作にあって、風間の役どころは潤滑油のようでもあり、穏やかな春風のようでもあった。
ジャニーズJr.時代、生田斗真、長谷川純、山下智久らと組んでいたFour Topsが自然消滅してからはグループに属さず、外部舞台への出演も多かった彼は、“踊らないジャニーズ”“ジャニーズの異端児”と呼ばれてきた。本人曰く「16~17までは数えられていたけれど」、結果、前科30犯近くになる犯人役が多かったのも異端たる所以である。
長年取材を続けてきたが、俳優として彼がここまで求められる存在になったのはこの2年程。「異なる作品の台本を同時に3冊、4冊、手にする日が来るなんて」と本人も嬉しい悲鳴を上げている。さらに「VS魂」(同)のようなバラエティの他、MCやナレーションのレギュラーもあれば、トーク番組のゲストとしても頻繁に名前が挙がる風間は大忙しだ。
なのに「普段は努めて普通でいたい」と言い、稽古場に一人で現れ、共演者やスタッフに優しい言葉をかけ、すぐに“壁”を取り外し、和やかな空気を率先して作るのが風間。そんな現場での彼の言動をストレートに受け取め、打ち解けるのが上野樹里や波瑠をはじめとした女優陣であるのも多くのインタビューの中で耳にしてきたことである。
「パークビューライフ」で共演している倉科カナ、中川翔子、前田亜季という、チャーミングかつ実力派の女優らにも風間は自然に溶け込んでいる。共同生活する“家族”という設定も相まって、一緒に居ることで、さらに活きる“風間ワールド”が沁みてくる。岡田恵和氏の本との相性もすこぶるいいのである。
4月23日~25日は大阪公演(サンケイホールブリーゼ)、5月1日、2日は名古屋公演(ウインクあいち 大ホール)。「パークビューライフ」、傷んだ心を癒してくれる作品だ。