大阪府の吉村洋文知事が２０日、ＭＢＳ「よんチャンＴＶ」（月～金曜、後３・４０～７・００）に生出演した。大阪府はこの日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、国に対して緊急事態宣言の要請を決定した。吉村知事は、会議後の会見を終えた午後６時半からスタジオに登場した。

　大阪府は２月末に緊急事態宣言の解除を国に要請。東京などより早く、解除された経緯がある。しかし、変異株の影響もあり、３月下旬から感染が急拡大。４月５日から「まん延防止等重点措置」が適用されたが、抑えこむことはできず、３度目の緊急事態宣言の要請を決めた。

　番組では、大吉洋平アナウンサーから「前回の緊急事態宣言では早まった解除をされましたよね、国は当初慎重な姿勢を示していたが」と厳しい質問も。吉村知事は「解除した２月末の時点では１日の（新規）陽性者数は５０人（※２月２７日＝６９人、２月２８日＝５４人）でした。１日５０人まで落とし込んだ上で、専門家の意見を聞いて解除した」と説明した上で、「（解除後の）３月下旬ぐらいから増え始めたが、人の動きが大きく増えたのはもちろん、変異株の要素も入った。変異株は感染拡大力が速い、強い、重症化するのが速い。既存株と大きく違う対策をとらないと」と述べた。

　緊急事態宣言については、「より強い内容で、短期間でやることが重要」との意見を示し、大型商業施設やテーマパークなどの休業要請、飲食店への酒類の提供の自粛を含めた複数案を国に示していることも説明。「解除のタイミングは間違っていなかったか？」との質問には、うなずき、「ただ、その後、どうしても人流が増えてくる時に抑え込めなかった」と語った。

　番組の最後には「緊急事態宣言、これが国家がとれる最後の策になります」と厳しい表情で呼びかけ、「最後は人と人との接触。変異株といっても、いっしょですので、ぜひ、感染対策の徹底をお願いします」と喉をからしながら訴えていた。