黒澤明監督の映画「影武者」で知られる俳優の隆大介（りゅう・だいすけ）さんが１１日に頭蓋（ずがい）内出血のため急死したことが２３日、分かった。６４歳。東京都出身。葬儀は親しい人と所属事務所スタッフで行った。

　事務所関係者によると、９、１０日に出演作のプロモーション撮影に参加したが、１２日の打ち合わせに現れず、「すごく真面目で時間に遅れることもないのにおかしい」と案じたスタッフが１３日に警察官立ち会いで自宅に入り、遺体を発見。「髄膜の髄液に血が混じる頭蓋内出血」で急死していたという。

　７５年に仲代達矢（８８）主宰の「無名塾」に入塾。「影武者」（８０年）の織田信長役に抜てきされて鮮烈な印象を残し、ブルーリボン賞新人賞を受賞した。８２年にＮＨＫ大河ドラマ「峠の群像」でエランドール新人賞。２０１５年に台北で酔って傷害事件を起こしたが、１８年に復帰した。

　糖尿病のため自炊するなど健康には気を遣い、「仕事一本で真面目一徹」な性格。海外の連続ドラマと主演映画、大作映画の撮影を控えており、関係者は「今でもそんなことないだろうという気持ち。後輩の面倒見も良かっただけにみんながショックを受けている」と話した。今秋の公開を楽しみにしていたという映画「信玄の父　信虎－国主の帰還」が遺作となった。