昨年４月２３日、新型コロナウイルスによる肺炎のため６３歳で死去した女優・岡江久美子さんの一周忌となった２３日、夫で俳優の大和田獏（７０）と長女で女優の大和田美帆（３７）がオンラインで「スマイル！岡江フェスティバル～音楽とともに～」を行い、涙ながらに岡江さんをしのんだ。チケット代は難病の子供を支援するＮＰＯに全額寄付するという。

　生前から希望していたという“音楽葬”で、笑顔の岡江さんの写真が並べられ、生前大好きだった曲のピアノ演奏が流れる中、夫と娘は心境を吐露した。

　１年間、取材を断ってきたという獏は、初めて重い口を開いた。昨年４月６日、入院しＩＣＵに入るまでの３０分間だけＬＩＮＥでやりとりし、「『非常に不安だ』と珍しく弱気なことを言ってきた」。それが最後の言葉になったという。

　同２３日に病院から電話で逝去が伝えられ、１人だけ対面できるため駆けつけた。ＩＣＵの片隅で袋に入れられた妻の顔を見て「慟哭（どうこく）とはこういうことなのかという感じで。何を考えたかあまり覚えてないんですが、顔見た時に、お前は死んでもきれいだなって…」涙が抑えられず、上を向いた。

　翌日、岡江さんは骨になって帰宅した。「葬儀もお通夜もできなかった。それから気力もうせたけど、悲しんでるのは僕だけじゃない、娘と孫のために元気に頑張らなきゃと思った。あと、妻のたくさんの友達の優しい思いやりがあってこの１年過ごしてこられた」と振り返った。

　美帆は「正直しんどいし、悲しいし、寂しいけど、私には母からもらった明るいＤＮＡがあるので、前向きに生きていきたい。この会も絶対ママが褒めてくれると思う。『よくやったね、さすが私の子だね』と言ってくれると思う」と、おえつまじりに語った。

　獏は最後に「感染が増えてきてますので、皆さんどうかお気を付けください」と、愛妻の遺骨を迎えた時と同じように訴えていた。

　フェスにはＴＢＳ「はなまるマーケット」の司会で名コンビを組んだ薬丸裕英ら友人１９人もメッセージを寄せ、岡江さんが大好きだったナット・キング・コールの「スマイル」を、大ファンだった井上芳雄（４１）が歌って締めくくった。