玉川徹氏「なぜ日本は失敗しているんですか?」 専門家に政府の責任問い詰める
テレビ朝日の玉川徹氏が26日、同局「羽鳥慎一モーニングショー」で、3回目の緊急事態宣言発令に対し、政府の責任を断罪。感染症対策分科会メンバーと議論する場面もあった。
玉川氏は23日の菅義偉首相の記者会見を取り上げ「菅総理が『心からおわび申し上げる』と言ったということは、この事態を招いたのは政府の責任であると。つまり、政府の対応が失敗したことによってこういうふうになったことをお認めになったってこと」と前置き。
変異株も予想できたことで、番組でもワクチン供給、検査の有効活用、さらに分科会の提言を政府が聞かないことなどを訴えてきたとし、改めて感染症対策分科会メンバー・小林慶一郎氏に「皆さんは科学にのっとった提言をされている。しかし、政府はやらない。これは何なんですか?」と質問。
小林氏が「科学的にいえばこれから1カ月、すべての経済活動とか社会活動全部止めてみんなが家にとどまっていれば、1カ月でコロナは解決する。だけど、社会、経済、政治いろんな意味でコストがかかってしまうので、そこには感染症学だけではない経済学的な判断、政治的な考慮もどうしても入ってくる。それをまとめていく中で、どうしても政治の方に偏ったんじゃないかと見られてしまうことはあると思う」と理解を示すと、玉川氏は反論。
「そんな極端なことをしなくても感染を抑え込んでる国はある。オーストラリアにしても台湾にしてもそう。すべて科学に基づいて合理的な判断をして、政治がその判断を受け止めて国民を説得し、国民が協力することによって抑えられている。世界中に成功している国がありながら、なぜ日本は失敗しているんですか?」と問い詰めた。
小林氏が「プライバシーを非常に重視して、アジアの他の国のように強力な個人の情報を取ることができないとか、あるいは個人の自由な活動を制限するっていうことも今もできていない」とし「他の国で去年の初めぐらいにやった非常に強い対策を初期の段階で日本が取れていたら当然状況は変わったと思うが、残念ながら法制度とか社会の制度とかプライバシーに関する考え方とか、社会や政治的な考え方で納得感というのが得られないのでそういう強い措置が取れなかった、その結果としてまん延が広がった」と答えると、玉川氏はさらに反論。
「日本人は私権の制限がなくても納得すればみんな協力する。例えばオーストラリアでも、検査をして感染があったら、1人に10何万円というお金をすぐ支給する。だから、ちゅうちょなくみんな検査をする。つまり、私権の制限だけをすればみんなが言うことを聞くっていうわけではない。ちゃんと皆さんが言うことを聞くためのインセンティブと納得っていうことがあれば日本人は十分それには従うはず」と、補償と合理的な説明があれば自制すると力説。
小林氏も「経済的なインセンティブは確かに重要。仰る通り、そこは考えなければいけないなということは思います」と納得していた。