アカデミー賞 アジア勢躍進!監督賞は中国出身クロエ・ジャオ氏 助演女優賞に韓国人
米映画界最大の祭典「第93回アカデミー賞の発表・授賞式」が25日(日本時間26日)開かれた。作品賞は「ノマドランド」(公開中)、監督賞には同作を手掛けた中国出身女性のクロエ・ジャオ監督(39)が輝いた。主演女優賞も同作のフランシス・マクドーマンド(63)が受賞し、3冠を達成。また助演女優賞には、映画「ミナリ」(公開中)の韓国人・ユン・ヨジョン(73)が選ばれ、マイノリティー(人種的少数派)の躍進が目立った。
コロナ禍の中、厳戒態勢で行われた授賞式でマイノリティーが続々と偉業を達成した。
作品賞を獲得した「ノマドランド」の監督を務めたジャオ氏は、白人以外の女性監督として史上初めて「監督賞」を受賞。女性でも史上2人目の快挙で「私たちが一緒に過ごした一生に一度の旅は、なんてクレイジーなことでしょう。とても感謝しています」と撮影チームに語りかけた。
白人以外の女性監督が初受賞した意義を問われたジャオ氏は「より多くの人が夢を追い掛ける後押しになるのであれば、ありがたい」と語った。米国ではアジア系を狙ったヘイトクライムが問題化しており、「皆さん一つになりましょう。誰に対してのヘイトもやめましょう」と呼び掛ける場面もあった。
「ミナリ」で助演女優賞に輝いたのは“韓国の国民的おばあちゃん”として愛されるユン・ヨジョン。韓国人俳優初、またアジア人でもナンシー梅木さん以来63年ぶり2人目のオスカー獲得となり「私たちにとって(授賞式は)テレビ番組でした。でも実際、ここに来ることができました。とても信じられません」と興奮気味。社会を渦巻く状況を憂慮するように「お互いを理解することはいいこと。色が問題ではない。ジェンダーが問題ではない。同じ温かい心を持った平等な人間」と訴えた。
助演男優賞は黒人のダニエル・カルーヤが初受賞。マイノリティーの候補が躍進した。主催団体は、多様性推進を掲げており、改革が結果に反映される形となった。