和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた酒類販売会社の元社長、野崎幸助さん＝当時（７７）＝に２０１８年、致死量の覚醒剤を口から摂取させて殺害したとして、県警は２８日、殺人と覚醒剤取締法違反（使用）の疑いで、妻だった須藤早貴容疑者（２５）を逮捕した。自身の女性関係や半生を著した本を出版し、欧州の伝説のプレーボーイになぞらえられた野崎さんの不審死から約３年。県警は、５０歳以上離れ、死亡の約３カ月前に結婚したばかりだった須藤容疑者が関与していたとみて捜査を続けていた。急転直下の元妻逮捕で事件は重大局面を迎えた。

　野崎さんが亡くなった後の１８年６月１８日には、ＡＢＥＭＡが番組「独占取材！紀州のドンファン死す…最期の３日間に番組が密着していた！」で、生前の独自映像を公開。結婚する直前の密着映像として、野崎さんの様子を流した。

　「愛人」とされる女性が体の関係を持っていることを示唆しながら、野崎さんに「今度こそ幸せをつかんで」など語りかけ、結婚直前もオープンだったと説明した。また、野崎さんの通夜、葬儀の映像も放送。「妻」が、ひつぎの傍らにたたずむ場面も流れた。