「ボクの最後の女性に」 野崎さん著書に出会い

 和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた酒類販売会社の元社長、野崎幸助さん=当時(77)=に2018年、致死量の覚醒剤を口から摂取させて殺害したとして、県警は28日、殺人と覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで、妻だった須藤早貴容疑者(25)を逮捕した。自身の女性関係や半生を著した本を出版し、欧州の伝説のプレーボーイになぞらえられた野崎さんの不審死から約3年。県警は、50歳以上離れ、死亡の約3カ月前に結婚したばかりだった須藤容疑者が関与していたとみて捜査を続けていた。急転直下の元妻逮捕で事件は重大局面を迎えた。

 野崎さんは2018年に出版した著書「紀州のドン・ファン 野望篇 私が『生涯現役』でいられる理由」で、須藤容疑者とみられる女性との出会いを詳述している。17年秋に羽田空港で転んだのを助けてもらったことをきっかけに付き合いが始まり、東京や京都、和歌山でのデートを繰り返した。プロポーズの言葉は「ボクの最後の女性になってくれませんか」だった。

 野崎さんの著書は事件を受けて注目を集め、16年発売の「紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男」とともに、異例の売れ行きとなっていた。

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