紀州のドンファン 不審死の直前には愛犬イブも突然死…

 和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた酒類販売会社の元社長、野崎幸助さん=当時(77)=に2018年、致死量の覚醒剤を口から摂取させて殺害したとして、県警は28日、殺人と覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで、妻だった須藤早貴容疑者(25)を逮捕した。自身の女性関係や半生を著した本を出版し、欧州の伝説のプレーボーイになぞらえられた野崎さんの不審死から約3年。県警は、50歳以上離れ、死亡の約3カ月前に結婚したばかりだった須藤容疑者が関与していたとみて捜査を続けていた。急転直下の元妻逮捕で事件は重大局面を迎えた。

 野崎さん不審死の捜査は、愛犬イブの突然死にも及んでいた。18年6月7日午前、和歌山県警の捜査員らが野崎さん宅に入り、埋葬された自宅庭で死骸を掘り起こした。その後、外部の動物専門機関に運んだという。

 推定18歳だったイブは5月6日に急死。もがき苦しむような状態だったという。生前は野崎さんが仕事場にも連れて行くほどに溺愛した。愛犬の死後、野崎さんは土葬、妻の須藤容疑者は火葬を希望したという。

 結果的に自宅に埋葬。卒塔婆なども設けた。周囲には「イブのお別れ会を開く」と連絡していたが、18日後の5月24日、野崎さんも急死。その後、鑑定で愛犬の体内から覚醒剤は、検出されなかったことが判明している。

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